映画『超能力戦争』感想:変すぎるが魅力的

※ネタバレを含みます。

 

アギト-超能力戦争-、本当に変な映画だった。

本当に変な映画だったがラストシーンに謎のすがすがしさがあり、本当に意味不明の涙が出そうになった。
なんだったんだ、あの謎のすがすがしさ。というかこの映画自体がなんだったんだ全部。

なんだかんだで賛否のサン寄りではあるが、普通に変すぎることは論を俟たないと思う。
賛否ならサン寄りだな…というだけでめちゃくちゃ好きとかではないのに、見終えてすぐまた見たくなる謎の中毒性があって怖かった。違法サブリミナルとか使ってる?

 

変なところ①:北條さん周りの全て

 

全部変。

ギルアギトに襲われることで能力が発現するのは黒谷で明示されてはいるが、突然ヌルっと分身能力を得た上にヌルっと使いこなしているのが変すぎる。


「今別の私が木野薫の話を聞いています」が特に変さとしては言及されがちだが、ルージュ伊達さんの初見殺し心臓ぶっこ抜きで分身二体やられてからの即三人目がポップして後ろから斬りかかってくるところもマジで普通に変すぎる。

氷川さんと力を合わせて恋人の敵をうつのも激アツシーンのはずなのに絵面がずっと変。
そもそもベッキーといちゃついてるシーン自体がなんかずっと変だった。露骨にルージュ通りすがってるし。


尾室くんに圧かけるために分身してるのもよく考えたら意味がわからないし、周囲の反応が薄すぎる。25年来の付き合いの人間が突然分身し始めたら普通もっと反応しない?

 

変なところ②:テンポ

 

北條さん周りの変さも一部はこれだが、なんの説明もなくテンポだけで進んでいく部分が多すぎる。


るり子の能力発現とギルアギトトリニティ変身が特に顕著。テンポだけで進んでいく上に人間側の順応が早すぎるので いや、何?? のまま置いていかれるタイミングがちょいちょいある。

テンポだけで押し切られていてあとから考えたらあれは何?みたいなシーンもちょいちょいある。

 

変なところ③:杵島くんと香川くん

 

自分たちが壊死起こしはじめたシーンすら「なんだか気分が悪いよ、杵島くん」「僕もだよ、香川くん」みたいなノリで通してたのもうそういう怪異かなんかだろ。けっこう好きで悔しい。

 

変なところ④:黒谷と大山

 

アギト25周年をやるなら、ほんもの津上の「きっと俺が、勝つさ」に対するアンサーの一端でも見せてくれないことには話にならない。

そしてそれをするためには、25年前からの仲間たちだけじゃなく、新しく力に目覚めた人からも「答え」が出てこなければならない。

いつもの仲間たちが善良なのはもうみんな知ってるんだし。


ここまでの理屈が通っていてなお無からポップした善性のかたまり手が銃マンと、刑務所でネズミ食って氷川さんにボコボコにされた結果惚れちゃった透明の人がそれを担うのは別に一向に変ではあるのですごい。ネズミって別に食べたくなくないですか?

 

変なところ⑤:概念バトル

 

黒谷がバトルの中で「ランチャーもいけるんじゃないか?」みたいな気付きを自力で得、自分のイメージで能力を飛躍させていくところはすごいよかった。

氷川さんの透明化に対する水撒きもかっこいい。


あとは全部変。心臓ぶち抜き対策が残機なわけないし、歌に対して別の波長ぶつけるのは王道だけどまずあいつなんで燃やせるのかわかんないし、ていうか毎回悠長に歌ってて対策されるとは思いませんでした?ではあるし、はんにゃ金田に対する色仕掛けについてはマジでボケナスすぎる。


超能力者たちの能力を見せていくくだりのホラー映画っぽさはまあ好きではあったんだけど、ルージュ伊達に心臓抜きと念動力乗ってるのとか、一人に複数能力乗ってるケースがあるのでよくわからなくなっている。大山テレポートの前振りと言えばまあ、そうなんですが……。

 

変なところ⑥:自首ラストシーン

 

警察側の人間が多いので、人命優先でさまざまな法をぶっ飛ばしたのを最後に自首という形で償おうとするのは理にかなっているというか律義ではあるかもしれないんだけど、普通に、変。


でも謎のすがすがしさがあって泣きそうになってしまった。変。

 

木野さんとかちょっとバケモンすぎるシャイニングギルアギトとか元末期患者とは思えない大元気な超能力者たちのキャラ付けとか他にも変なところはいろいろあるけど全然キリがないので好きなところも述べる。

 

好きだったところ①:各キャラの魅力

 

25年前と変わらない熱さと不器用さに冷静な判断力や戦闘経験も加わって、主役としての魅力を十分に発揮した氷川さん

その氷川さんを信じてG7を作り上げた、相変わらず状況をぐいぐい引っ張っていく決断力のある、そして年を重ねてさらにチャーミングな小沢さん

マジでずっと面白い北條さん

情けないところを存分に見せつつ、電撃卓球女の急襲で護衛の黒岩が離脱しても一人でアンチアギト因子を届けた尾室くん

相変わらずのマイペースさが年を重ねることで老練にもなっている翔一くんと、雰囲気が変わらなすぎる美杉家

本人の言どおり氷川さんの当て馬では終わらなかったるり子や変な若手コンビ、味方側についた超能力者の二人など新キャラもみんなよかった。

 

好きだったところ②:G7

 

「あくまで人間の技術力で作られたシステム」というのを崩さず進化系のかっこよさだったのが大好き!!!

アンダースーツは事前に着ておく必要があったり、なんか超技術ソードも折れたら自然には直らずその場でガリガリドローンが修理したり、自動装着後ちょっと人力で修正が必要だったり、人工のライダーだぞ!というのをこれでもかと見せてくれたので満足。


その上で翔一くんが一時的に力を貸すことにより、今まではありえなかった「Gシステムのライダーキック」という必殺技での締めだったのもかなり、かっこいい。

G6もかっこよかったんだけどあきらかに技術的には劣っていて、るり子にもG7やれよ……とは思った。あんなに頑張ってるんだし。

 

好きだったところ③:大山テレポートと葦原涼

 

葦原さんが役者の都合によりナレ死してるのは仕方ないのだが、やはり寂しい気持ちもあったため、氷川さん救出のために大山に二つ目の力を与えたみたいな描写がうっすら入ったのは嬉しかった。

 

好きだったところ④:小沢さんの自撮り

 

「北條巻きの前で無言で自撮りする小沢さん、死人が出ている場で不謹慎すぎる」👈大いにわかるが、全然大ウケしてしまったので負けです。

 

好きだったところ⑤:良い刑務所ですね!

良い刑務所ではないだろ。

 

好きだったところ⑥:「「世も末」」

小沢さんと北條さんのなんとも言えない関係好き。

 

好きだったところ⑦:翔一と結婚してえ~ww

本当に、草

 

気になったところ。

 

木野さん周りで荒れるのは当たり前すぎて普通にこれでいいと思った東映と井上敏樹がボケナスすぎるが、

・変身姿がアナザーアギトじゃない
・翔一くんのキーンがある

あたり考えるとまあ本人ではなかったのかな…と思うので、むしろ「葦原さんに頼られて助けようとした」「末期患者を救いたかった」あたりの善性のかけらが木野さん要素によりもたらされたものなのかなあ…というところ。


「末期患者を救うにはギルアギト因子を注入するしかなく、その結果暴力性が増してしまう」くらいの落としどころにしておけば?と思いはするがラスボスいなくなるからダメか。要りますか?あのクソデカ虫すぎるシャイニングギルアギトは。

 

それより個人的に納得がいかなかったのは「きっと俺が、勝つさ」に対するアンサーが「人工的なギルアギトと超能力者」によってもたらされたこと。

翔一くんがアギトの力を失っていたり、プロジェクトが解体されそうになっていたり、自然発生のアギトが25年間いなかったっぽいので、なんかそれは話が違くないですか?にはなる。

あとギルアギトを問答無用で殺してるのダメすぎるだろ。人間対人間じゃなく人間対バケモノになってしまっているので説得力が薄い。

法的にも仮にも人間を裁きの前に殺していいわけなさすぎるので、どの方面から見てもダメすぎる。

その他CGの低予算感などまあだいたいの賛否のピ寄りの批判にはまあうなずけるところしかないのだが、それを超えていい部分はあったし、
というか本当に「それを超えても好き!!」という出来では全くないのにまた見たくなる映画だった。変。


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